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  • 配偶者のためにできること!?

    2026.02.25

    「収入・資産格差の大きい夫婦間で、事前にやっておくべきこと、できること」をテーマに、一度まとめてみたいと思います。

    (1)暦年課税による生前贈与……毎年110万円の贈与税の基礎控除を活用し、資産移転を図る方法です。もっとも、相続発生時に相続税申告が必要かどうか、あるいは申告をする場合にも7年以内の生前贈与は相続財産に足し戻す必要がある点など(受贈者が相続により財産を取得した場合)は注意が必要です。
    (2)配偶者控除(贈与税の特例)……婚姻20年以上の夫婦間で、居住用不動産の持分を最大2.000万円分まで非課税で配偶者へ贈与できます。
    将来、当該不動産を譲渡する際の「3.000万円特別控除」への備えにもなります。
    居住用不動産の取得等資金にも適用可能で、購入時の資料、物件の抱える課題、潜在的リスクなども、事前に点検・解決・情報共有を。
    (3)生活費・慶弔費の非課税贈与……社会通念上相当と認められる範囲で、高収入側が生活費等を負担する家計運営のルールを明確にしておきます。“名義預金”と判断されないよう、生活費の余剰が配偶者の手元に残る場合、単なる“へそくり”ではなく、贈与として認める意思を明言しておきましょう。
    (4)医療保険や就業不能保険によるリスクヘッジ……稼得能力が低下した場合に備え、収入が高い時期から医療保険・就業不能保険等を活用し、生活不安の平準化をはかってリスクをカバーしましょう。
    (5)格差是正や二次相続対策で生命保険契約の設計……死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)は相続人が受け取る保険金収入で按分するので、子がいる場合、夫婦間の死亡保険金受取の保険を掛け過ぎると(配偶者の税額軽減が逆に効いて)非課税枠があまり活きないので注意が必要です。また、二次相続においても死亡保険金の非課税枠を確実に活かせるよう、一次相続前から配偶者を被保険者とする生命保険に加入し、一次相続では「保険契約に関する権利」を配偶者が承継する設計が有効です。なお、一次相続前の死亡保険金は契約者が受取人となるよう設計し、一次相続後は適宜、受取人を「子」等へ変更しておきます。
    (6)小規模企業共済(自営業者・役員向け)……中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する小規模企業共済は、掛金の全額が所得控除となるほか、任意解約であっても65歳以上かつ掛金納付期間180ヵ月以上であれば、掛金を上回る共済金を受け取れ、税制優遇措置もあります。
    自営業者の配偶者についても、共同経営契約書の作成や事業資金の提供など、共同経営者としての実態を整えることにより(専従者給与を受ける前提のもと)、小規模企業共済に加入することが可能です。

    (7)遺言書の作成……次のような場合は、配偶者に特に配慮が必要で、遺言書の作成をお勧めします。1、子どもがいない夫婦、2、子ども間の経済状況や生前贈与の偏りが大きい場合、3、子ども達の関係性や性格から、分割協議が難航する可能性が高い場合、4、不動産など、分割が困難な財産が中心となる場合(共有は避けるべし…)です。
    遺言執行者は配偶者を指定しつつ、第三者にも委託できるよう記載しておきます。
    (8)社会保険料を夫が負担する……妻が社会保険の被保険者でも被扶養者でもない場合、妻自身が国民健康保険(または後期高齢者医療制度)、国民年金等の保険料を納付する必要があります。この点、所得税の社会保険料控除は「納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合」に適用されます。
    したがって、妻の口座からの引落しや特別徴収(妻の年金天引き)となっているものについては、振替口座の変更や納付方法の変更届で申し出て、夫が実際に支払うかたちに整えることで、夫側の所得控除による税効果を最大化できる場合があります。
    ただし、小規模企業共済の掛金やiDeCo(個人型確定拠出年金、専業主婦も月額2.3万円まで可)の掛金については、それぞれ制度上、名義人本人でしか所得控除を受けることはできません。妻の年金から控除されている介護保険料も原則変更できません。注意が必要です。
    (9)青色事業専従者給与・事業専従者控除……青色申告における青色事業専従者給与を適切に活用するためには、いくつか重要なポイントがあります。
    まず、1、専従者給与の届出書を提出すること
    2、届出金額以内で実際に妻へ給与を支払い労務の対価としての実態があることが必要です。また、不動産所得の場合には、いわゆる「5棟10室基準」の事業的規模が求められます。
    一方、白色申告の場合には事業専従者控除の活用を検討しましょう。
    (10)親からの相続財産の整理や処分……親から引き継いだ財産は、将来の妻や子の負担を避けるため、自分の代で整理しておくことが大切です。活用が難しい土地は、相続土地国庫帰属制度を利用して手放すことも有効で、残す不動産についても、土盛りや境界確定測量など、後々必要となる整備をあらかじめ済ませておきましょう。
    (11)不動産で家族信託を組成……夫が所有する居住用や賃貸不動産について、夫を委託者・受益者、妻を第二受益者、子等が受託者とする家族信託をあらかじめ組成しておくことで、夫の死後に妻がその利益を受け続けながら、実際の管理や処分については子等が受託者として対応できる体制を整えておくことができます。将来、夫または妻の判断能力が低下し、成年後見制度を利用せざるを得ない状況になると、裁判所の管理下で財産処分が厳格に制限され、妻や子が望む柔軟な意思決定が難しくなるため、後見に頼らない体制を家族信託で事前に整えておく意義は大きいといえます。単に妻へ不動産を遺すだけでは十分とはいえず、承継後も適切に「守りながら動かせる」仕組みを構築しておくことが重要です。

    (12)デジタル遺品対策……「終活」を意識し始めると、万一の際にスマートフォンやパソコンの中に遺される「デジタル遺品」が、遺族にとって大きな負担となり得ることに気づかされます。そこで、1、スマートフォンのロック解除用パスワードの共有 2、パソコン利用に伴う各種ネット取引上のID・パスワードの一覧化(不要なサービスは早めに縮小・解約) 3、メール・クラウド・アプリ等の処理(サブスク課金の停止やメルマガ類を含めた生前整理) 4、連絡先のリスト化(葬儀の連絡先、エンディングノートへの記載)といった準備が有効です。遺す人への思いやりを形に!

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