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  • 相続開始前のリフォーム工事!

    2024.02.22

    相続税申告において、家屋は固定資産税評価額を基に評価することになっています。
    しかし、相続が開始する前に、リフォーム工事が行われていた場合は、普通それが固定資産税評価額に反映されていないため、相続税の財産評価上その家屋の価額をどのように評価すべきかが問題となります。

    ◆国税庁HPの質疑応答事例では…?

    国税庁HPの質疑応答事例では「増改築等に係る家屋の状況に応じて固定資産税評価額が付されていない家屋の評価」という項目の中で、「(その増改築家屋と)状況の類似した付近の家屋の固定資産税評価額を基にして(中略)差を考慮して評定した価額」と示されていますが、この方法は現実には不可能と言えます。
    そこで、その代替方法として「増改築等に係る部分の再建築価額を基に計算する方法」が示され、(償却費相当額控除後の)7割相当とする方法も紹介され、現実にはこちらが採用されます。

    ◆実際の評価の作業手順は…?

    評価額を決定するまでの具体的な検討手順は、次のようになるでしょう。
    【1】 工事の内容が、家屋又は家屋と構造上一体となっている建物附属設備のリフォームと言える部分かを検討します。(その余は家財等一式で検討か…)
    【2】 リフォームの中でも、雨漏りのための屋根修理や外壁塗装などの維持管理のための修繕に関しては、価値を増加させているとは認められないため、その部分は省いて検討を行います。
    【3】 建物の所有名義と、増改築資金の出資者が同じかを確認します。
    異なる場合は(民法上の)付合を理由とした「みなし贈与」のリスクも検討します。
    【4】 もし、そのリフォーム工事で「床面積の増加」を伴っていて、固定資産税評価額が変わっていた場合には、工事代金の総額から「床面積を増加させた工事以外の部分」を抜き出す按分計算を行います。
    (床面積増加部分は、固定資産税評価額に反映済みとして扱います。)
    【5】 増改築等の時から課税時期までの「経過年数」は、1年未満の端数があるときは1年としてそれを求め、工事代金に0.9を乗じた額に、その家屋の「法定耐用年数」のうちに占める「経過年数」の割合を乗じて、「償却費相当額」を算出します。
    (法定耐用年数⇒木造住宅は22年、鉄筋コンクリート住宅は47年、など…)
    【6】 従来の家屋の固定資産税評価額に、増改築等に係る工事代金から、上記「償却費相当額」を控除した価額の70%の価額を加算した価額とします。
    なお、法人が所有する家屋へのリフォームについては、取引相場のない株式(出資)の評価に含まれることになりますが、1株当たりの純資産価額の計算においては、課税時期前3年以内に取得等している場合は70%の価額にはせず、「通常の取引価額(帳簿価額)」を使用することになっています。
    【7】 相続開始の日から5年以上前の改築とかであれば、もう加算しなくても良いのでは、という意見もあります。
    リスク等を検討しましょう。

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